疲れやすい
日常生活に支障が出るほどの「疲労感」や「倦怠感(けんたいかん)」は、私の診療経験の中でも患者様の症状として非常に多くみられるものです。
主な疲れやすさが目立つこころの不調として以下のようなものが挙げられます。
◉ うつ病・抑うつ状態
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うつ病の中核症状の一つが「持続する疲労感」です。
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特に「朝からだるい」「何をするにも億劫」「好きだったことにも体がついてこない」など、心のエネルギー切れのような状態になります。
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仕事をがんばっている間はなんとか保っていても、帰宅後や休日に一気に疲れが出る、というケースも多く見られます。
◉ 適応障害・ストレス反応
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強いストレスにさらされていると、交感神経が常に高ぶっていてリラックスできず、疲労が回復しにくくなります。
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睡眠時間は取れているのに、まったく休まった感じがしない――そんな感覚になることも。
◉ 不安障害
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不安が続いている状態では、心も体も常に「緊張モード」になっており、エネルギーを消耗しやすい状態になります。
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胃腸の不調や筋肉のこわばりなど、身体面の症状が一緒に出てくることもあります。
◉ 心身症
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精神的ストレスや不安、過労などが続くと、体にさまざまな症状としてあらわれることがあります。
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慢性的な疲れやだるさ、頭痛、胃腸の不調、動悸、めまいなど、検査では異常が見つからないのに症状が続くという場合、「心身症」が背景にある可能性があります。
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これは「気のせい」ではなく、心のストレスや不安などが体に影響を与えている医学的な状態です。
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自分でもストレスを自覚していないことも多いため、症状が長引くときにはこころの側面にも目を向けることが大切です。
原因不明の疲れが続いたら、「こころ」も見直してみましょう
病院で検査をしても「異常なし」と言われるのに、本人はつらい。
こうした「原因の見えにくい疲労感」の背後には、こころの状態や脳の働きの変化が関係していることが少なくありません。
「なんとなく疲れやすい」は、見過ごされがちですが、とても大切なこころのサインです。
単なる体力の問題ではなく、心のエネルギーの“残量”が少なくなっている状態かもしれません。
疲れがなかなか取れない、いつも体が重い――そんな日が続いたときは、一度こころの状態も含めて見つめ直してみましょう。
ポラリスこころのクリニック国分寺でご相談をお待ちしています。
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院長 萩原将孝
日本精神神経学会認定精神科専門医
厚生労働省精神保健指定医
日本医師会認定産業医