1. はじめに

自立支援医療制度とは？

自立支援医療制度とは、精神疾患などの治療を受ける方が継続的に通院できるように、医療費の自己負担を軽減する公的な制度です。精神疾患を抱える方の多くは、長期間にわたる治療が必要になります。そのため、経済的負担を軽減することで、安定した治療を受ける環境を整えることが目的とされています。精神疾患を持つ方々が社会で自立して生活するためには、適切な医療だけでなく、福祉制度のサポートも欠かせません。自立支援医療制度は、医療費負担を減らすことで、精神疾患の治療継続をサポートし、患者の社会復帰を助ける役割を果たします。自立支援医療制度を利用することで、通院費の負担が軽減され、必要な治療を無理なく受けることができるのが大きなメリットです。

2. 自立支援医療制度の概要

自己負担の軽減額について

自立支援医療制度は、障害者総合支援法の一環として提供されており、特に精神疾患患者の医療負担を減らすことを目的としています。通常の健康保険では医療費の自己負担割合が３割ですが、この制度を利用すると自己負担が１割に軽減されます。

例）（医療保険による自己負担が ３,０００ 円の場合、自立支援医療を利用すれば １,０００ 円になります。）

対象となる方

何らかの精神疾患（てんかんを含みます）により、通院による治療を続ける必要がある程度の状態の方が対象です。

対象となる範囲

精神疾患・精神障害や、精神障害のために生じた病態に対して、病院又は診療所に入院しないで行われる医療（外来、外来での投薬、デイ・ケア、訪問看護など）が対象です。

3. 具体的な支援内容とサービス

通院時の医療費軽減の仕組み

自立支援医療制度を利用することで、外来通院の際の医療費が1割負担となります。また、収入に応じて月額自己負担上限が設定されるため、負担額が一定以上にならない仕組みになっています。さらに、ポラリスこころのクリニック国分寺がある東京都では一部の対象者について自己負担がゼロになるケースもあります。これは、所得や生活状況によって自治体が独自に支援を強化しているためです。ただし、一定の所得がある人は自立支援医療制度を利用できない場合もあります。

生活支援との関係（年金・介護・子育て支援）

この制度は、障害年金や介護保険、子育て支援制度と併用可能です。例えば、障害年金を受給しながら医療費の負担を減らすことで、より安定した生活を送ることができます。

他の福祉サービスとの併用は可能？

自立支援医療制度は、精神障害者保健福祉手帳などの他の福祉制度とも併用することができます。ただし、申請時には各制度の適用範囲を確認することが重要です。

4. 申請方法と必要な手続き

申請の流れ（必要書類と手続き）

自立支援医療制度の申請には、以下の手続きが必要です。

1. ポラリスこころのクリニック国分寺で主治医の診断書を申請します。
2. 申請書、主治医の診断書、世帯所得が確認できる書類、健康保険証など関連書類を用意し、自治体に申請します。

※自治体によって必要書類が異なる場合があります。お住まいの市町村にお問い合わせください。

３．審査を経て受給者証が発行します

変更・更新時の注意点（引っ越しや病院変更など）

• 転居した場合は、引っ越し先の自治体で再申請が必要になります。」
• 受診する医療機関を変更する場合も、事前に手続きを行う必要があるます。
• 1年ごとの更新手続きが必要になります。

どのくらいの期間で適用される？

申請から承認までの期間は自治体によりますが、およそ３ヶ月程度かかることが一般的です。

5. 制度利用の注意点とポイント

自立支援医療を利用できる医療機関とは？

自立支援医療制度を利用できる医療機関は、各都道府県又は指定都市が指定した「指定自立支援医療機関」に限られています。ポラリスこころのクリニック国分寺では問題なく利用できます。

6. よくある質問（Q&A）

ここでは私が診察の場でよく質問される事柄をお伝えしたいと思います。

収入による影響はありますか？

収入によって自己負担額の上限が異なります。低所得者層の場合、月額負担上限がさらに引き下げられることもあります。所得が多い場合は利用できない場合もございます。詳しくはお住まいの自治体にお問い合わせください。

生活環境が変わったらどうしたらいいですか？

引っ越しや転職など生活環境が変わった場合は、速やかに引越し先の自治体へ届け出を行う必要があります。

申請することでのデメリットはありますか？

申請の際特定の医療機関や薬局を選択し、その機関でのみ自立支援医療を使えるようになります。原則として転院する場合は、再度自治体で手続きを行わないと利用できません。また、利用のためには診察時に「自立支援医療受給者証」と「自己負担上限額管理票」を毎回持参する必要があります。

7. まとめ

自立支援医療制度を利用することで、精神疾患を持つ方が安心して治療を続けられる環境が整います。ポラリスこころのクリニック国分寺では治療まである程度の期間がかかりそうな方には基本的に自立支援医療制度のご利用を薦めています。ご希望がある方は診察の時にご相談ください。