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強迫性障害の症状・治療

 

 

1.強迫性障害とは?症状と原因

強迫性障害は、思い通りにならない不安や恐れに悩まされる状態です。この病気の特徴は、頭の中で強い不安が繰り返し浮かび、それに対して行動を繰り返さずにはいられなくなることです。例えば、手が汚れているかもしれないという不安から、何度も手を洗う行動を繰り返すことがあります。

強迫性障害の基本的な症状

強迫観念と強迫行為

強迫観念とは、不安や恐れが頭に浮かび、それをどうしても消すことができない状態です。例えば、「手が汚れているかもしれない」「家の鍵をかけ忘れたかもしれない」といった思考が頭を離れません。このような思いが繰り返し現れることで、強いストレスを感じます。

強迫観念の例:
  1. 汚染や細菌への恐れ

    • 自分や周囲の物が汚れている、または病気をうつすかもしれないという恐れが強くなる。
  2. 不安な考えが繰り返し浮かぶ

    • 自分が誰かを傷つけてしまうのではないか、または何か悪いことをしてしまうのではないかという不安が繰り返し頭に浮かぶ。
  3. 不完全さに対する恐れ

    • 何かが不完全であることに対して、強い不安や恐れを感じる。たとえば、何かを忘れたり見逃したりしたら、重大な問題が起こるのではないかと心配する。
  4. 「もし〜だったら」という考え

    • 「もし〜だったらどうしよう?」という心配が繰り返し頭に浮かぶ。例えば、外出した後に「火を消し忘れたかもしれない」と考える。
  5. 道徳的・倫理的な不安

    • 自分が不道徳な行動をしてしまうのではないか、または自分が誰かを傷つけてしまったのではないかという疑念が絶えず湧いてくる。

強迫行為は、その不安を解消するために行う反復的な行動です。例えば、手が汚れているかもしれないという強迫観念がある場合、何度も手を洗う行為が繰り返されます。この行動は、短期的には不安を和らげることができますが、長期的には症状が悪化することがあります。

強迫行為の例:
  1. 手洗いの繰り返し

    • 汚れや細菌に対する不安から、何度も手を洗う。
  2. ドアの施錠確認

    • ドアがきちんと施錠されているかを何度も確認する。
  3. 物を整頓する

    • 物が不規則に置かれていると不安になり、何度も並べ直したり整頓したりする。
  4. 同じ行動を何度も繰り返す

    • 出かける前に靴を履いたり脱いだりを何度も繰り返す。
  5. 数字や順番に関する儀式

    • 特定の数字や順番に関連する儀式(例:数回同じ動作をする、特定の回数だけ触れるなど)を行う。
日常生活における強迫性障害の影響

強迫性障害は、日常生活に大きな影響を与えることがあります。例えば、手を洗う回数が増えることで、学校や仕事に遅刻したり、友達と遊ぶ時間が減ったりします。強迫行為に時間がかかりすぎるため、普段の生活が非常に面倒に感じることもあります。さらに、強迫性障害が進行すると、周りの人との関係にも問題が生じることがあります。

強迫性障害の原因

強迫性障害の原因は一つだけではなく、さまざまな要因が関わっていると考えられています。心理的な要因や神経学的な要因が重なり合って、強迫性障害を引き起こすことがあります。

心理的な要因

強迫性障害の症状が現れるきっかけとして、心理的なストレスや過去の経験が影響することがあります。例えば、過去にトラウマ的な出来事を経験した場合、その影響で強迫観念が強くなることがあります。

神経学的な要因

また、神経学的な要因も強迫性障害に関係しています。脳内の神経伝達物質(特にセロトニン)の働きが関わっているとされています。セロトニンは、感情や不安を調整する役割を持っているため、その働きがうまくいかないと、不安や強迫観念が強くなることがあります。

2.強迫性障害の治療法

強迫性障害は治療可能な病気です。早期に治療を受けることで、症状を改善し、生活を快適にすることができます。強迫性障害の治療法には、主に心理療法と薬物療法の2つがあります。

強迫性障害の治療法について

強迫性障害の治療は、患者さんの状態に合わせた方法で行われます。代表的な治療法は、薬物療法と暴露反応妨害法です。これらを組み合わせることで治療していきます。

薬物療法

薬物療法は、強迫性障害の症状を軽減するために使用されます。主に抗うつ薬(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使用されることが多いです。SSRIは、脳内のセロトニンのバランスを整える働きがあり、不安を軽減する効果があります。薬物療法は、心理療法と併用されることが一般的で、症状が改善するのを助けます。

心理療法:暴露反応妨害法

暴露反応妨害法は、強迫性障害に効果的な治療法として広く認められています。この方法は、患者さんが不安を引き起こす状況にわざと晒し、その不安を乗り越える方法です。例えば、手を洗う強迫観念がある人には、手を洗うことなく外出したり、汚れた物に触れたりすることを練習します。この方法では、最初は強い不安を感じるかもしれませんが、繰り返すことで不安が和らぎ、強迫行為を減らすことができます。

3. 料金

当院は診断書等を除いて保険診療になります。料金の目安は初診の場合にはおおむね3000円から6000円、再診の場合には1500円から2500円程になることが多いです。料金の幅は血液検査や心理検査の有無によって変動します。また別途診断書を発行した場合別途料金がかかります。また院外薬局での調剤・お薬代が別途かかります。

院外薬局での調剤・お薬代はお薬の内容によって大きく変わりますが、2週間分で平均1000円から2000円程度が目安となります。

詳しくは料金についてをご参照ください。

 

4.終わりに

早期の治療が鍵

強迫性障害は、治療を受けることで改善することができます。もし、強迫性障害の症状に悩んでいるのであれば、早期に専門医に相談することが大切です。

強迫性障害は、早期に治療を開始することで、症状を軽減し、生活を改善することができます。治療には時間がかかることもありますが、継続的に取り組むことで、より良い結果を得ることができます。周囲のサポートも大切ですので、家族や友人と協力して治療に取り組んでいきましょう。

国分寺市の国民健康保険に関する報告書では、国分寺市は精神疾患の医療費が東京都の中でも高い傾向にあることも報告されており、症状がひどくなる前に受診することが大事になります。

ポラリスこころのクリニック国分寺では、強迫性障害に対する治療をサポートしています。あなたがより良い生活を送るために、一緒に取り組んでいきましょう。症状がつらいと感じたときには、いつでもご相談ください。

この記事を執筆した人
ポラリスこころのクリニック
院長 萩原将孝

日本精神神経学会認定精神科専門医

厚生労働省精神保健指定医

日本医師会認定産業医

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