統合失調症の症状・治療
1. 統合失調症とは?病気の基本と症状
統合失調症の定義と特徴
統合失調症は、思考、感情、行動がうまく調和しなくなる精神的な病気です。患者さんは、現実と自分の思考や感覚の間にズレが生じ、しばしば幻覚や妄想やまとまりのない行動を認めます。これにより、日常生活や仕事、人間関係などに深刻な影響を与えることがあります。100人に1人が発症し、10代から30代ごろに発症することが多い病気です。
統合失調症の基本的な症状
統合失調症の症状は、大きく分けて「陽性症状」と「陰性症状」に分類されます。
1. 陽性症状(正常にはない症状)
- 幻覚:自分だけが聞いている音や見ているものを感じること。例えば、誰もいないのに声が聞こえたり、見えないものが見えたりする。
- 妄想:現実にはあり得ないことを信じること。例えば、他人が自分を監視していると感じたり、自分が特別な使命を持っていると信じること。
- 思考の障害:話がまとまらなかったり、論理が飛んだりして、会話がうまくできなくなることがあります。
2. 陰性症状(正常な感情や行動の欠如)
- 感情の鈍麻:喜怒哀楽が薄くなり、日常的な出来事にも無関心になることがあります。
- 意欲の低下:仕事や学校、家事などの活動に対する意欲が減少し、社会的な関わりを避けることが増える。
- 社会的引きこもり:友人や家族と会うことが減り、外出を避けるようになることがあります。
2. 統合失調症の治療法
統合失調症の治療法
統合失調症の治療は薬物療法を中心に行います。
薬物療法の役割と効果
統合失調症の治療では、主に抗精神病薬が使用されます。これらの薬は様々な種類がありますが、脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、幻覚や妄想といった症状を軽減します。
治療は長期にわたるのでご本人やご家族の病気に対する理解も重要になります。また症状が重い場合は入院も含めて検討する必要があります。幻覚や妄想・不安といった症状が改善された後にデイケアへの通所など社会参加の機会を失わないような心理社会的な支援が重要になります。
3. 料金
当院は診断書等を除いて保険診療になります。料金の目安は初診の場合にはおおむね3000円から5000円、再診の場合には1500円から2500円程になることが多いです。料金の幅は血液検査や心理検査の有無によって変動します。また別途診断書を発行した場合別途料金がかかります。また院外薬局での調剤・お薬代が別途かかります。
院外薬局での調剤・お薬代はお薬の内容によって大きく変わりますが、2週間分で平均1000円から2000円程度が目安となります。
詳しくは料金についてをご参照ください。
4. おわりに
統合失調症の早期治療が回復を助ける
統合失調症は早期に治療を始めることが非常に大切です。症状がひどくなる前に適切な治療を受けることで、回復の可能性が高くなり、社会生活を再開することができます。発症から時間が経過すると、治療が難しくなることがあるため、早期の発見と治療が重要です。
もし自分や周りの人に統合失調症の兆候が見られた場合、早期に専門医を訪れることが回復への第一歩となります。
国分寺市の国民健康保険に関する報告書では、国分寺市は精神疾患の医療費が東京都の中でも高い傾向にあることも報告されており、症状がひどくなる前に受診することが大事になります。
ポラリスこころのクリニック国分寺では、統合失調症に対する治療をサポートしています。あなたがより良い生活を送るために、一緒に取り組んでいきましょう。症状がつらいと感じたときには、いつでもご相談ください。
院長 萩原将孝
日本精神神経学会認定精神科専門医
厚生労働省精神保健指定医
日本医師会認定産業医