朝起きるのが辛い
「目覚ましは鳴っているけど、体がどうしても動かない」
「起きなきゃと思っているのに、布団から出られない」
「休みの日は何時間でも眠れるのに、平日の朝は特につらい」
こうした“朝起きられない”という症状は、単なる寝不足や生活リズムの乱れだけでは説明できないこともあります。
実は、こころの不調や精神疾患のサインとしてもよく見られる状態なのです。
たとえば、うつ病では、「朝が特につらい」という人が多くいます。
これは「日内変動」といって、1日のうちで症状の重さが変動する特徴のひとつ。朝は気分が最も落ち込みやすく、動き出すのがとても苦痛に感じられます。
中には、午後になると少し楽になるという方もいますが、それでも朝の辛さが毎日続くことが生活に大きな影響を与えます。
また、「適応障害」の場合も、特定のストレス(たとえば職場や学校)に関連して、出かけることそのものが苦痛に感じられるようになり、朝起きるのがどんどん難しくなることがあります。
さらに、「非定型うつ病」と呼ばれるタイプのうつでは、「過眠(寝ても寝ても眠い)」「だるさ」「人の反応に敏感すぎる」といった特徴があり、やはり朝の起床が困難になることが多いです。
加えて、起立性調節障害という自律神経のトラブルによって、特に若い人(思春期~20代前半)で朝起きられない状態が続くケースもあります。
これは体の病気ですが、うつ病や不安障害と併発していることもあり、総合的な評価が必要です。
「朝起きられない」というと、「気合いが足りない」「だらしない」などと言われてしまうことがあります。
でも、本当に気持ちの問題だけで片づけられる話ではないのです。
心身のバランスが崩れてしまうと、自分の意志だけではどうにもならない「動けなさ」が出てきます。
そんなときは、無理に自分を追い詰めるよりも、「これは心と体が出しているサインかもしれない」と考えてみてください。
毎朝が苦しい日々が続いているなら、それはがんばりが足りないのではなく、がんばりすぎた証拠かもしれません。
朝、少しでも「つらいな」と感じる日が続くときは、お一人で抱えずに、ぜひ一度ご相談ください。
症状が悪化する前にお早めにポラリスこころのクリニック国分寺へご相談ください。
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院長 萩原将孝
日本精神神経学会認定精神科専門医
厚生労働省精神保健指定医
日本医師会認定産業医