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双極性障害の症状・治療

 

双極性障害とは? 症状と特徴

双極性障害(そうきょくせいしょうがい)は、気分が極端に高ぶったり(躁状態)、逆にひどく落ち込んだり(うつ状態)することを繰り返す病気で、およそ100人に1人が発症するといわれています。この気分の変動は、本人の考え方や行動にも影響を与え、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

双極性障害の基本的な症状

  • うつ状態と躁状態

    双極性障害では、うつ状態と躁状態が交互に現れます。

    • うつ状態では、気分が長期間落ち込み、何をしても楽しめなくなります。体がだるくて動きたくない、食欲がなくなる、寝ても疲れが取れない、何事にも興味が持てないなどの症状が現れます。この状態が続くと、自分に対する自信を失い、「死にたい」と感じることもあります。
    • 躁状態では、気分が異常に高揚したり、エネルギーがあふれ出します。眠らなくても元気が続き、行動が衝動的で、無謀な決断をすることがあります。また、自分に対する自信が過剰になり、過剰な活動をしたり、現実的でない計画を立てたりすることがあります。また、気分の高揚が目立たず、イライラ感が目立つ事もあります。
  • 健康的な感情の変化との違い

    健康的な感情の変化は、ストレスや楽しい出来事によって引き起こされる一時的なものです。しかし、双極性障害では、感情の変化が急激で極端に大きいため、日常生活に支障をきたします。また、健康的な感情の変化は時間が経つと自然に収束しますが、双極性障害の気分の波は少なくとも数日から1週間以上、場合によっては何週間、何ヶ月も続くことがあります。

双極性障害の種類とうつ病との違い

双極性障害にはいくつかのタイプがあり、また、うつ病とは異なる病気です。それぞれの違いについて見ていきましょう。

  • 双極性障害Ⅰ型とⅡ型の違い

    双極性障害は主にⅠ型Ⅱ型に分けられます。

    • 双極性障害Ⅰ型は、躁状態が非常に激しく、自己判断能力を失うことがあり、治療を受けないと生活に深刻な影響を与えることがあります。
    • 双極性障害Ⅱ型は、躁状態が軽度である「軽躁状態」が特徴です。軽躁状態では、エネルギーや自信が高まりますが、I型ほど症状が目立ちません。そのため、Ⅱ型はうつ病と誤診されることもあります。
  • うつ病との違い

    うつ病は、双極性障害とは異なり、躁状態が現れないのが特徴です。双極性障害では、気分が落ち込む「うつ状態」と気分が高まる「躁状態」を交互に経験します。つまり、双極性障害は、うつ状態と躁状態を両方経験するため、症状が異なります。

    最初はうつ病の診断で治療されていましたが、その後躁状態を認めて、診断が変更になるという事もしばしば認めます。うつ病と双極性障害は治療方法も異なるため注意が必要です。

双極性障害の原因

双極性障害の原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境的要因が関わっていると考えられています。

  • 原因は分かっていない

    双極性障害の正確な原因ははっきりしていません。一部、遺伝的な要因が関係していると考えられています。しかし、遺伝だけで発症するわけではなく、環境要因も重要です。

  • ストレスや生活習慣の影響

    環境的な要因としては、ストレス生活習慣が大きな影響を与えると考えられています。大きな生活の変化や過度なストレスは、双極性障害の発症を引き起こすことがあります。また、睡眠不足や不規則な生活も、症状を悪化させる原因となります。

    ストレス管理や規則正しい生活を送ることが、症状を安定させるために重要だとされています。

双極性障害の治療法

双極性障害の治療は、薬物療法と心理療法を組み合わせて行うことが一般的です。適切な治療により、症状を管理し、患者さんが安定した生活を送る手助けをします。

薬物治療の重要性と種類

  • 気分安定薬の役割

    薬物治療の中心は、気分安定薬です。気分安定薬は、躁状態とうつ状態を防ぐために使われ、患者さんの気分を安定させる役割を果たします。代表的な薬には、リチウム、抗てんかん薬(バルプロ酸、ラモトリギンなど)、抗精神病薬などがあります。

    これらの薬は、症状の再発を防ぐために長期間使用することが多いです。薬の効果はすぐには現れないこともあるため、根気よく治療を続けることが大切です。

心理療法とサポートの活用

  • 認知行動療法の効果

    認知行動療法(CBT)は、双極性障害の治療に有効な心理療法の一つです。CBTでは、患者さんが自分の思考や行動のパターンを見直し、より健康的で現実的な方法に変えることを目指します。

    認知行動療法は、薬物療法と合わせて行うことで、より効果的な治療となります。

料金

当院は診断書等を除いて保険診療になります。料金の目安は初診の場合にはおおむね3000円から5000円、再診の場合には1500円から2500円程になることが多いです。料金の幅は血液検査や心理検査の有無によって変動します。また別途診断書を発行した場合別途料金がかかります。また院外薬局での調剤・お薬代が別途かかります。

院外薬局での調剤・お薬代はお薬の内容によって大きく変わりますが、2週間分で平均1000円から2000円程度が目安となります。

詳しくは料金についてをご参照ください。

 

終わりに

早期の治療が大事

双極性障害は、早期に治療を始めることで、症状をコントロールしやすくなります。気になる症状があれば、早めにご相談下さい。

国分寺市の国民健康保険に関する報告書では、国分寺市は精神疾患の医療費が東京都の中でも高い傾向にあることも報告されており、症状がひどくなる前に受診することが大事になります。

ポラリスこころのクリニック国分寺では、双極性障害に対する治療をサポートしています。あなたがより良い生活を送るために、一緒に取り組んでいきましょう。症状がつらいと感じたときには、いつでもご相談ください。

この記事を執筆した人
ポラリスこころのクリニック
院長 萩原将孝

日本精神神経学会認定精神科専門医

厚生労働省精神保健指定医

日本医師会認定産業医

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